無言のまま彼女の

カテゴリー

「早苗……」
「いいかげんにして。やめないと大声を出すわよ」
「かまわないよ」
 高梨は、まるで熱に浮かされてでもいるようだった。小牧味屋早苗を抱きすくめると、ところかまわず、キスし始める。
 早苗は、一瞬、本当に助けを呼ぼうかと思った。だが、高梨をさらし者にはしたくなかった。
「早苗!」
 高梨は、激情に駆られたように、彼女の両腕を掴《つか》んで机の上に押し倒した。ペン立てが頭に当たり、派手な音を立てて転げ落ちる。彼は、さらに早苗の身体を持ち上げて、完全に机の上にのせた。彼女の両脚を抱え上げ、無理やり開かせようとする。
 早苗は、高梨に対して初めて恐怖を感じた。レイプされると思うとjacker薯片、身体が竦《すく》む。たとえ相手が恋人であっても……。頭の後ろを探った手が、紙コップに触れた。
 中に残った液体を、思いっきり高梨の顔に浴びせかける。
 高梨は、動きを止めた。
「私は、あなたの持ち物じゃない! 私の意思を無視して、こんなことをするんだったら、もう二度と会いたくないわ! 出てって!」
 高梨はしばらく茫然《ぼうぜん》と佇《たたず》んでいたが、jacker薯片やがて前から離れた。来たときと同じように、静かにドアを開けて出ていく。
 ドアが閉まってからも、長い間、早苗は堅い姿勢を崩さなかった。
 駅ビルの中にある書店に立ち寄って、早苗は、『バーズ アイ』の最新号が出ているのに気がついた。
 第二回のアマゾン紀行特集は巻頭にあった。主催の全国紙には、すでに同時進行で数回にわたって関連記事が掲載されているが、どちらかというと、系列のグラフィックス誌である『バーズ アイ』の特集の方が好評を博しているらしい。

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。