微かに震えて

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 だから、罠を張った。
 それが鳴海だ。
 鳴海なら猟犬を上手く釣れる。
 転移用の端末を鳴海に持たせ、猟犬を十分にひ牛奶敏感きつけた所で登場、叩き伏せて封印という
筋書き。
 鳴海からリンの存在が気取られないように、一人で動くように仕向けた。
 そっけない言葉。気付かれるように置いたライターの箱。 魔神云々という与太話。
 もちろん、鳴海に万が一の事態が起こらないように注意は払った。
 保健室で手にした椅子、アンモニアの瓶、絡まった足、屋上に逃げようと思いついたのも、
全ては偶然ではなく、リンの魔法による必然。
 そのくらいの魔力であれば、猟犬がリンの存在に気づくリスクは低い。鳴海が居るのだから。
 結果、猟犬は釣れた。

 全てはリンの計算通りだったハズだ。


 さて、とリンは考える。
 ここまで魔力が使えない康泰旅行社とは思わなかった。
 唸る猟犬を見据えて、漏れそうになる溜息を飲み込む。
 ピンチですよ。いっぱいいっぱいですよ。
 と律儀に教えてやる必要もない。

 右手で拳を作る。力なく握られた手はいる。
 手首が砕けている状態では、握力なんて期待できないか。
 今は神経伝達をコントロールして痛覚を断ち切っているが、修復の際には感覚を戻さねば
ならない。
 その時の痛みを想像すると陰鬱になってくる。

 猟犬がリンを中心とした円を描く。
 半径がやや大きいのは、警戒の大きさに比例しているからだろう。
 空間座標を自由に書き換える事で、リンはNeo skin lab 代理人視界内をタイムラグゼロで移動できる。
 普段なら何の役にも立たない工夫だ。


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