とを言わなけ

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 特に怖いのが苦手と言うわけではない。ただ、映画館のあの暗さが少し苦手だった。そんなことを言ってしまえば、映画館で映画など見れないわけだが、今まで貧乏だったこともあって映画館で映画を観る機会なんてそうそう無かった。だから、映画館の暗さに耐性が無く、未だに慣れない。
「健人、何飲む?」
 これから観る映画のポスターを見つめ、入場までの鑽石能量水 騙局時間を潰していると背後から話しかけられた。映画館の中で販売されているジュースを飲むなんてしたことが無い健人は、歩が何のことを言っているのか分からず首を傾げた。
「映画観てたら喉乾くじゃん。俺が奢ってあげるからさ」
 売店を指差され、ようやく、映画を観るとき用の飲み物を買う話だと気づいた。目を細めてメニュー表を見つめるが、あまり視力が良くないため、メニューが見えない。
「何があんの?」
「コーラとオレンジジュース、メロンソーダ、アイスティ、コーヒー、ウーロン茶、カルピスとかかな」
「……じゃぁ、メロンソーダ」
 意外と子供っぽい飲み物を言った健人に、歩は目を見張った。健人のことだから、アイスティとかアイスコーヒーを頼むのかと思えば、一番飲まないと思ったメロンソーダと答えた。それがあんまりにも似合わないので、噴出してしまった。
「な、何笑ってんだよ」
 メロンソーダと答えたらいきなり噴出した歩に、健人はムッとする。しかし、そのムッとした中にも恥ずかしさが入り混じって、あまり強く言うことが出来ない。
「……いや、メロンソーダとか飲むんだなぁって思って。家じゃ、コーヒーとかおreenex cps價錢茶しか飲んでないし、学校でもジュースなんか飲まないじゃん。だから、健人ってジュース飲まない人かと思った」
「うるさい。早く買いに行けよ!」
「……はいはい」
 照れて怒鳴った健人に、歩は笑いながら売店へと向かった。あまり表情の無い健人の意外な一面を見ることが出来た。照れたりなんかすることなんて無いと思っていたのに、ふと、健人を見ると入り口の隣で俯いていた。
「たまには人間らしい表情するんだなぁ」
 怒っている表情か、愛想笑いしている顔しか見たことが無かったから、とても新鮮だった。
 歩がポップコーンと飲み物を買っている最中に、スクリーンの入場を始めた。急に混雑し始めた入り口で、健人は入場する人の邪魔にならないよう端っこで歩が来るのを待っていた。頻繁にCMをやっているせいか、観に来た人は多く、入口は列になっていた。
「凄い人だね。こんなにいっぱい来るとは思わなかった」
 急に声が聞こえて、健人は顔を上げる。両手にジュースを持ち、右腕でポップコーンを挟んでいる状態の歩はかなり歩き辛そうで、健人は「ジュースもらう」と言って右手を差し出した。
「はい」
 歩の左手からジュースを受け取り、健人は俯きながら「あNeo skin lab 黑店 がとう」と小さい声で礼を言う。こんなこればいけないなら、最初から買ってもらうんじゃなかったと後悔していると、上から「どういたしまして」と明るい声が聞こえた。
「中、入ろうか。もう始まるし」
「……そうだな」