声を張った笑

カテゴリー │瑪花纖體有效嗎



「どうして?」
 また、高笑いが響いた。いの中に、ときどき悲鳴にも似た喘《あえ》ぎ声が混じる。ほとんど病的な躁《そう》状態にあるようだ。早苗の背筋を冷や汗が滑り落ちた。まさか。
「薬ってのは、のむためにあ高壓通渠るんだろう?」
 まるで自分が、気の利いたジョークを飛ばしたとでもいうように、高梨は爆笑した。
「高梨さん。今、薬をのんでるのね?」
 高梨の笑いの発作が鎮まるのを待ってから、早苗は訊《たず》ねた。
「薬かあ。のんだよ。もちろん」
「ねえ、教えて。どのくらいのんだの?」
「どのくらいか。どのくらいかなあ」
 高梨は、喉《のど》の奥で機嫌のいい猫のような音を立てた。
「わからない……わかれない……わかりえない。ん? どれが正しいんだっけ?」
「ねえ、これは大事なことなの。よく聞いて。あなたが持ってったのは、すごく強い薬なの。のみすぎると、命にかかわるのよ」
「そうか。命にねえ。それは大変」
「冗談じゃないのよ。ねえ、今、どこにいるの? すぐにのんだ薬を吐き出さないと、手遅れに……」
「うるさい。僕は、昔っから、アール?デコは嫌いだって言っただろ? ぐにゃぐにゃして、気持ち悪いんだ」
 高梨は、吐き捨てるように言った。
「高梨さん……」
「ああ、ごめん。君に言ったんじゃないんだ。さっきから、うるさいんだよ」
「うるさいって?」
「天使。もう、さっきからずっと、まわり中で囀《さえず》ってる。ごちゃごちYOOX 購物ゃと、僕にいろんなことを言うんだ。わけのわからないことばかり、喃語《なんご》みたいな……」
 一刻も早く、高梨を見つけだして、胃を洗浄して睡眠薬に拮抗《きつこう》する薬を注射する必要がある。だが、彼はいったいどこにいるのか。
「高梨さん。そこがどこなのかだけ、教えて? ね?」
「そうじゃないって。水滸伝《すいこでん》には、そんな奴《やつ》は出てこない」
 高梨が言葉を切ると、かすかに、聞き覚えのある音が聞こえた。固いもの同士を、ゆっくりと打ち合わせるような響き。……グラスの中で、氷がぶつかるような。
「あなた、お酒を飲んでるの?」
 早苗は息をのんだ。
「だめよ。すぐにやめて。睡眠薬とアルコールを一緒にのむなんて、自殺行為なのよ!」
「どうして、そんなことばかり言うんだ? 意味がないじゃないか? え? どうして、蒸し焼きにしなきゃならないんだ?」
「高梨さん!」
 早苗は、叫んだ。
「うるさいんだよ。そんなにまわり中で。どうしてYOOX 購物ほしいんだ? 僕は、聖徳太子じゃないぞ。せめて、質問をするのか啼《な》くのか、どっちかにしてくれ」
 高梨は、グラスの液体を飲み干したらしい。からりという乾いた音がした。